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岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
岡山大学病院 消化管外科 肝・胆・膵外科 小児外科

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CLINIC

臨床 小児外科

こども目線の優しい治療小児外科

成人領域で内科と外科があるように、小児領域でも内科と外科があります。小児外科はこどもの外科的診療を行う専門分野です。小児は、ただ体が小さいだけでなく、すべての臓器が未熟なため手術を行うには成人とは全く異なった専門的な知識、技術が必要です。岡山大学小児外科は日本小児外科学会専門医、指導医を取得したスタッフの下、鼠径ヘルニアなど一般的な疾患から、小児がん、先天性気管狭窄症などの気道疾患、重症先天性心疾患を持つ児の治療など、他の施設では治療困難な疾患の治療を提供しています。

内視鏡手術は特に力を入れており、小児領域での内視鏡外科学会技術認定医(2025年時点では中国地方に1人)の指導の下、質の高い医療を提供しています。また、中四国地方で小児に対するロボット支援手術を行う唯一の施設になります。

当院は小児救急医療センターに指定されており、中四国の救急センターとして広い範囲から重症な患児を積極的に受け入れております。2025年から総合周産期母子医療センターにも指定されており、治療の難しい新生児(出生前診断の場合は胎児)疾患の診療にも対応しております。

岡山大学病院における「小児医療センター」

小児外科グループ

対象疾患について

当院では小児のあらゆる疾患に対応しておりますが、当科では消化器・呼吸器・泌尿生殖器・体表の外科疾患を主に診療しております。病院のHPもご参照ください

当院での治療

■低侵襲手術

体格の小さな小児に対する内視鏡手術は高度な技術と知識が必要となります。日本内視鏡外科学会では手術の質を担保するために、ビデオ審査による技術認定を行っています。小児領域では2025年時点で中国地方と四国地方にそれぞれ1人ずつしか認定医はおりません。取得者は日本内視鏡外科学会のHPもご参照ください。当院では内視鏡技術認定医の指導のもと、国内で保険適応となるあらゆる内視鏡手術に対応しております。

また、ロボット支援下手術も導入しており、先天性胆道拡張症、先天性水腎症(腎盂尿管移行部狭窄症)、縦郭腫瘍に対して手術を行っています。体格は10kg以上を目安としていますが、詳細につきましては当院にご相談ください。

■新生児疾患

2024年10月から新生児センターが拡張され、より多くの新生児の受け入れが可能となりました。2025年から総合周産期母子医療センターにも指定されており、治療の難しい新生児(出生前診断の場合は胎児)疾患の診療にも対応しております。先天性食道閉鎖症、横隔膜ヘルニアなど、新生児に対する内視鏡手術も行っております。

■小児呼吸器外科疾患

嚢胞性肺疾患や縦郭腫瘍などに対して、内視鏡手術を行っています。また、先天性気管狭窄や先天性軟化症など、他の病院で治療が困難な気道疾患の治療も行っております。県外からの受け入れも行っております。

■小児の胸壁外科

漏斗胸:胸肋挙上術を中心に行っていますが、複雑な胸郭の変形に対しては、胸腔鏡下胸骨挙上術(ナス手術)などを適切に組み合わせて治療を行っています。

■肝胆道系疾患

先天性胆道拡張症:Todani分類の創設者である戸谷拓二先生の頃から、世界をリードする業績を上げています。肝外胆道全切除+肝門部肝管空腸吻合という術式を考案し、術後長期合併症、胆道癌の発生を極力抑えています。現在ではロボット支援手術の導入により、更に精度の高い手術が可能となりました。

胆道閉鎖症   :当院では中四国の幅広い施設から患者を受け入れ、葛西手術を行っています。肝移植が必要になった場合も、当院の臓器移植センターと連携しシームレスな治療が可能です。

■泌尿器疾患

膀胱尿管逆流症、尿道下裂、水腎症、停留精巣などの疾患に対応しています。特に先天性水腎症(腎盂尿管移行部狭窄症)に対してロボット支援手術を導入し、質の高い医療を提供しています。

■小児悪性固形腫瘍

小児の悪性腫瘍は稀少疾患であり、診断・治療には専門的な知識や技術、設備が必要になります。当院では神経芽腫や腎腫瘍、肝腫瘍、横紋筋肉腫、胚細胞腫瘍などの固形腫瘍に対して、専門の医師が連携して高度な集学的医療を提供しております。

■重症心身障がい児(者)の患者さんの治療

当科では重心児のQOLの向上のため、胃瘻造設術、胃・食道逆流防止術、喉頭気管分離術などの外科的治療を行っています。胃・食道逆流防止術は「食道を縛って嘔吐を止める手術」、「術後は口から物を食べられない」と誤解されている方がおられます。

手術の内容によってはそのようなこともありますが、当院で行うToupe法のコンセプトは「胃の形を整えて嘔吐を抑える手術」であり、食道を縛るような手術ではありません。喉の機能に問題がない方であれば術後も経口摂取は可能です。詳しくは当院にお問い合わせください。