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岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
岡山大学病院 消化管外科 肝・胆・膵外科 小児外科

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CLINIC

臨床 肝・胆・膵外科

肝移植・超高難度手術から低侵襲手術まで、
最新・最良の外科手術を患者さんに

岡山大学病院 肝胆膵外科は、診療科長 八木孝仁教授を中心としたスタッフ5名/病棟医5名で構成され、年間100-120例の肝切除、20-25例の肝移植、45-70例の膵切除を手掛け、日本肝胆膵外科学会が定める高難度手術件数は年間160-180件と、中国・四国地方屈指のHigh volume centerとなっています。
肝胆膵外科領域は、手術の難易度が高く難治性の癌が多いことが特徴ですが、消化器内科・放射線科と横断的な診療体制を構築し、精緻な癌の進展評価から術前・術後の化学療法まで、集学的な癌治療を展開しています。また他院で切除不能とされた高度進行癌であっても、豊富な手術件数と25年にわたる肝移植で培われた血管合併切除をはじめとする高度な手術手技と緻密な手術戦略を駆使して、メスの限界を追求しています。周術期管理では、麻酔科を中心とした周術期管理センター(リハビリテーション部・栄養部・歯科・疼痛管理・メンタルサポートなど)と連携して、早期の術後回復を目標としています。こうした診療連携・チーム医療によって、過去7年間の高難度肝胆膵手術における周術期死亡率(肝移植を除く)は、0.6%と良好な手術成績を堅持できていることが私達岡山大学病院の強みです。さらに近年は、腹腔鏡を中心とした低侵襲手術にも力を入れており、高侵襲とされる肝胆膵外科手術でも、在院日数の短縮と早期社会復帰が可能となってきました。こうした腹腔鏡下肝切除・膵切除は、高難度術式への適応拡大とともに年々増加しており、2020年からはロボット手術を導入しています。

岡山大学 肝・胆・膵外科における手術症例の推移

岡山大学 肝・胆・膵外科における手術症例の推移

肝移植

内科的に治療が不可能な末期肝硬変や急性肝不全に対する最後の救命手段が肝移植です。
肝移植の適応疾患は、主にウイルス性肝硬変(B/C型肝硬変)、非ウイルス性肝硬変(非アルコール性脂肪肝炎や原因不明の肝硬変など)、原発性胆汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎、アルコール性肝硬変、急性肝不全(劇症肝炎)、先天性胆道閉鎖症、自己免疫性肝炎、代謝性肝疾患(Wilson病、高シトルリン血症など)、肝細胞癌(個数・大きさなど保険適応あり)になります。岡山大学では、’96年に第一例目の生体肝移植を施行して以来、年間20-25例の肝移植を実施しています。’10年には中国・四国地方初となる脳死肝移植、更に’12年には本邦初となる脳死肝腎同時移植手術に成功し、’20年3月までの総肝移植数は450例となりました(生体移植409例、脳死移植41例、内 肝腎同時移植3例)。近年は、非アルコール性脂肪肝炎の増加や腎障害を伴う重症例が増加する中でも、肝移植後1年/5年生存率は 90.2%/86.4%と全国平均を上回る成績を堅持しており、瀕死の状態にあった多くの患者さんが無事に社会復帰しています。

肝移植手術件数の推移

肝移植手術件数の推移

肝移植後レシピエントの全生存率

肝移植後レシピエントの全生存率

脳死肝腎同時移植

脳死肝腎同時移植

肝・胆・膵外科

肝臓領域(原発性肝癌、転移性肝癌)

肝臓に発生する悪性腫瘍には、肝臓の細胞が癌化してできる「原発性」肝癌と、他癌腫からの転移による「転移性」肝癌があります。原発性肝癌はさらに、肝細胞に由来する肝細胞癌と、胆管上皮に由来する肝内胆管癌に分けられます。 肝細胞癌は、経門脈的に癌が進展していく特性があり、治療効果を高めるために系統的肝切除を原則としています。また門脈腫瘍栓や下大静脈腫瘍栓といった高度進行癌に対しても、拡大手術を安全に実施しています。肝細胞癌は、背景に肝臓を患っていることが多く、患者さんの特性と病状に合わせた適切な治療が必要ですが、内科・放射線科的治療から肝切除や究極の肝移植まで、消化器内科・放射線科と緊密に連携した集学的治療を行なっています。

肝細胞癌に対する肝切除の全生存期間

肝細胞癌に対する肝切除の全生存期間

肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝右葉切除術

肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝右葉切除術

大腸癌をはじめとする転移性肝癌については、重要血管への浸潤や転移個数が10個を越えるような多発進行癌であっても、血管合併切除を駆使したり、原発巣の遺伝子背景に応じた化学療法を効果的に組み合わせることで切除率を高めています。またこうした進行癌では、 切除後の再発が問題となりますが、外科的再切除が長期生存につながることが立証されており、二度三度と積極的に再肝切除を行うことで治癒を目指しています。

転移性肝癌に対する肝切除件数の推移

転移性肝癌に対する肝切除件数の推移

大腸癌多発肝転移に対する切除個数の推移

大腸癌多発肝転移に対する切除個数の推移

切除不能肝転移に対するConversion surgery

切除不能肝転移に対するConversion surgery

胆道領域

胆道癌は、肝門部領域胆管癌、胆嚢癌、中下部胆管癌、十二指腸乳頭部癌に分類されます。その中でも肝門部領域胆管癌手術は、大量肝切除や肝動脈・門脈合併切除を要することが多く、癌が広範囲の胆管に進展する場合には、肝切除に加えて膵頭十二指腸切除を追加して行うこともあり、腹部悪性腫瘍手術で最も難度が高い術式に分類されます。こうした超高難度手術においても、生体肝移植で培われた手術手技と周術期管理によって、安全に手術を行うことが可能となっています。

胆管癌に対する手術件数の推移

胆管癌に対する手術件数の推移

肝門部胆管癌に対する肝左3区域切除術

肝門部胆管癌に対する肝左3区域切除術

膵臓領域

膵臓癌は現在でも難治性癌の代表でありますが、近年その治療成績は向上しつつあります。膵癌治療において根治を目指す上で最も重要なことは、化学療法と外科手術を組み合わせた治療を適切に行うことです。岡山大学では外科と内科が緊密に連携し、一人一人の患者さんに最適な集学的治療を提供しており、従来は手術不能とされた高度進行膵癌の患者さんでも根治を目指した外科手術を行う機会が増えてきています。また膵癌の外科手術は“膵頭十二指腸切除”や“膵体尾部切除”など体に大きな負担がかかる手術になりますが、2012年から低侵襲手術である腹腔鏡手術を導入し、さらに周術期管理センターと連携し万全の術後管理を行うことで、より早期に回復できる手術実施体制を整備しています。また2020年9月よりロボット支援下膵頭十二指腸切除術を開始しました。

膵臓手術件数の推移

膵臓手術件数の推移

切除不能膵癌に対するConversion surgery

切除不能膵癌に対するConversion surgery

膵癌治療成績の向上(切除可能膵癌切除例)

膵癌治療成績の向上(切除可能膵癌切除例)

膵臓領域における低侵襲手術

膵臓領域における低侵襲手術