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岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
岡山大学病院 消化管外科 肝・胆・膵外科 小児外科

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CLINIC

臨床 消化管外科

食道グループ

希望を持てる最善の治療を、
全ての患者さんに提供します

豊富な症例数

食道がんに対する手術症例は年間100例以上であり、全国有数の手術症例数です。食道外科専門医が3名おり、難易度の高い食道癌手術に対しても高い安全性を維持しています。過去10年間の術後30日以内の死亡率は0.1%、在院死は1.1%と、全国平均と比較しても低い数字です。また、食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎に対する腹腔鏡手術も積極的に行っております。

西日本一の手術症例数の実績を誇り
個々の患者に沿った先進的な手術を

観音開き法(上川法)再建

低侵襲手術

内視鏡外科学会技術認定医(食道領域で取得)が3名おり、食道癌に対する胸腔鏡手術や食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎に対する腹腔鏡手術を積極的に行っています。食道癌に対する胸腔鏡手術を2011年度に導入し、これまでに600例以上に行ってきました。2019年度は食道癌手術の約80%が胸腔鏡手術でした。2018年度から導入したロボット手術は2019年度には48例施行し、累積77例となっています(ロボット支援下手術の認定医の在籍する認定施設です)。胸壁破壊のない縦隔鏡手術も導入し、低肺機能など特にリスクが高く、従来ならば手術が不可能であったような患者さんにも安全に手術を行えています。また、近年日本でも増加傾向の食道胃接合部がんに対する低侵襲手術として、胸腔鏡・腹腔鏡併用の「下部食道・胃噴門部切除、胸腔内観音開き法再建」を世界で初めて導入しました。癌の根治性はもちろん、術後逆流性食道炎を防止するQ O Lに配慮した術式として、全国から注目を浴びています。

食道癌に対する低侵襲手術の最先端

観音開き法(上川法)再建

高度進行癌に対する集学的治療

食道がんは気管や大動脈といった隣接重要臓器へ浸潤することがあり、そのような高度進行がんは標準的な方法での治療は困難です。中国四国の他の施設で「手術は不可能」と言われるような高度進行がんでも、抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせることで、手術ができることがあります。他臓器浸潤を伴う食道がんに対しても、三剤併用化学療法や化学放射線療法に根治手術を組み合わせた集学的治療によって、根治が望めるようになってきています。

新規治療開発

私たちは、癌の進行度または全身状態などの理由で手術が困難な患者さんに対しても最善を尽くせるよう、新規治療法の開発にも積極的に取り組んでいます。より負担の少ない治療法として、岡山大学発の腫瘍融解ウイルス(テロメライシン®)を用いた治療を開発中です。2013年に、世界初となる食道がんに対するテロメライシンと放射線療法の併用療法の臨床研究を開始し、実用化に向けて現在は多施設共同治験が進行中です。加えてテロメライシンと免疫チェックポイント阻害薬とを併用した医師主導治験も進行中です。またウイルス療法以外にも、進行食道がんに対する新たな集学的治療の開発に向けて、通常化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を加えるなどした新規化学療法の治験にも携わっています。

治療困難食道癌に対する多彩な治療戦略

観音開き法(上川法)再建

総合力(他診療科、多職種との連携)

食道疾患は、専門性が高くそして総合的な診断と治療を必要とします。そのため私たち食道外科医だけではなく、多方面の診療部署が診療に関わり、チーム医療として対応することがとても重要です。食道疾患に関わる複数の診療科の専門家が連携して高度な医療を提供するべく、2020年8月に岡山大学病院内に食道疾患センターが開設されました。詳細は食道疾患センターホームページをご覧ください。また患者さんに大きな負担がかかる食道がん手術には術前の十分な準備と手術後の様々なサポートが不可欠です。患者さんの早期社会復帰を目標として、麻酔科医、看護師、薬剤師、精神科チーム、歯科(歯科医・歯科衛生士・歯科技工士)、リハビリテーション部(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種で構成されるチーム(周術期管理センター:PERiO)によって専門的な治療やケアを行っています。

食道癌治療に挑む患者さんを守る
他診療科他職種『総合力』

観音開き法(上川法)再建

胃グループ

体にやさしい最先端の手術で
確実に胃がんを治療する

体にやさしい低侵襲手術の追求

現在当科には、内視鏡外科技術認定医(胃)が4名在籍しています。体にやさしい低侵襲手術として、腹腔鏡手術や近年ではロボット手術が普及してきていますが、それでも胃癌手術全体に占める施行割合は全国的に見ると50%強と報告されています。当科では、進行胃癌や上腹部の手術歴を有する患者さんにもその適応を拡大し、近年では95%以上の患者さんに、腹腔鏡手術あるいはロボット手術を行い、安定した成績を収めることに成功しています。また、麻酔科や管理栄養士と連携して、術後の早期回復や社会復帰のサポート体制を整えています。

胃癌手術症例数と鏡視下割合の年次推移

観音開き法(上川法)再建

観音開き法(上川法)再建

同門の先輩である上川康明先生(現:松田病院顧問)が考案した、噴門側胃切除後の逆流防止機構を付加した食道残胃吻合法です1)。噴門側胃切除後の標準再建法はいまだ確立されていませんが、その最大の問題点は、食道逆流に伴う術後QOLの低下です。観音開き法再建は、その食道逆流防止に優れた機能を有しており、患者さんの術後QOLの向上に寄与する再建法として、現在全国的にも注目されています。当科では、医師派遣による直接的な技術支援を行うとともに、積極的な学術活動を通して、標準再建法に向けた取り組みも行っています2)3)。
1) 上川康明.消化器外科,2001
2) Kuroda S, J Am Coll Surg. 2016
3) Kuroda S, Ann Gastroenterol Surg. 2018

観音開き法(上川法)再建

観音開き法(上川法)再建

Closed-LECS(改良型LECS)

腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)は、内視鏡治療と腹腔鏡手術を併用し、必要最小限の侵襲で腫瘍切除を行う治療法で、胃粘膜下腫瘍などに対して施行されます。しかし、従来型のLECSは術中に胃壁の開放を行うため、胃内容物や腫瘍細胞の腹腔内散布の危険性が指摘されています。当科では、改良型LECSとして、胃壁の開放を伴わないClosed-LECSを開発し、主に壁内発育型の胃粘膜下腫瘍に対して施行し、良好な成績を収めています4)。近年では、十二指腸病変に対して適応を拡大し、前向き臨床研究としてその有用性と安全性に関する検証を行っています。 4) Kikuchi S, Gastric Cancer. 2017

Closed-LECS(改良型LECS)

Closed-LECS(改良型LECS)

胃がんの薬物療法

進行胃がんでは再発の危険性が高いため、できるだけ完全に切除し、再発を防ぐため、抗がん剤治療を手術前に行ったり、手術後に行ったりもします。手術ができない場合、再発した場合の治療は抗がん剤治療になります。日々進歩する最新の科学的情報を基に最も効果的な治療を行えるよう心掛け、承認前の新薬を用いる“治験”と呼ばれる臨床試験も行っています。薬剤師、看護師、栄養士や歯科とも連携し、効果も安全性も大切にした治療を行っています。

肥満症に対する手術

肥満症、糖尿病に対する外科治療も積極的に行っています。肥満に加えて糖尿病、高血圧、脂質異常症等の疾患を合併している場合は、腹腔鏡を用いて胃を小さくする手術によって体重が大幅に減り、合併疾患も治る可能性があります。保険診療で手術が受けられますので、かかりつけ医に相談の上、当院までご相談ください。

腹腔鏡下スリーブ状(袖状)胃切除術

Closed-LECS(改良型LECS)

大腸グループ

多様化する大腸癌治療への挑戦
〜低侵襲手術、薬物療法から遺伝カウンセリングまで〜

下部消化管外科部門では、寺石文則講師・近藤喜太助教以下4人のスタッフが診療・研究・教育にあたっています。大腸癌(結腸癌、直腸癌)を中心に、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、結腸憩室症から直腸脱などの肛門疾患にいたるまで下部消化管外科全般にわたる診療を行っています。

大腸癌に対する外科治療

当科では、年間約150例の大腸癌患者さんの手術を施行しています。内視鏡外科技術認定医(大腸)が2名在籍しており、低侵襲手術(腹腔鏡⼿術)の施行率は約80%(直腸癌では90%以上)で、ロボット支援直腸⼿術を2020年から開始しています。特に局所進行直腸癌に対しては術前化学(放射線)療法を導入し、局所再発率の低下と肛門温存率の増加を目指しています。入院期間は、通常の開腹術、腹腔鏡手術において術後8〜10日程度となっています。
大腸癌の患者さんは外来受診後、2〜3週間以内に手術を行うようにしておりますが、腸閉塞症状があるなど緊急性がある状態であれば1週間以内に手術を行うこともあります。

大腸癌手術件数の推移 2010.1〜2019.12

観音開き法(上川法)再建

当院の大腸癌外科治療のいいところ

■チーム医療による迅速かつ丁寧な治療

⼤腸癌専⾨の外科医、内科医が⼀緒に診るチーム医療で、迅速に⽅針を決めて直ちに治療を開始します。⾼度に進⾏した⼤腸癌でも、化学療法、放射線療法、⼿術を組み合わせて根治を⽬指しています。

■周術期管理センターによる大腸癌患者さんのサポート

75歳以上の患者さんやハイリスク症例は術前のより早い時期から周術期管理センターが介入し、併存疾患を有する場合でも安全に手術を受けていただけるようしっかりと準備をしています。もちろん、手術後のケアも万全の体制をとっております。

大腸癌に対する薬物療法

当科では大腸癌に対する化学療法を積極的に行っており、年間約100〜140名の患者さんにのべ1000回あまり化学療法を施行しています。進行再発大腸癌に対してはFOLFOXIRIやCAPOX+RTなどで病勢制御を行い、外科的根治切除を目指しています。Late lineにおいてもTAS-102+Bevacizumab、Regorafenibや抗EGFR抗体薬のrechallengeなど、最後まであきらめない化学療法を実践しています。また、MSI-high大腸癌に対して免疫チェックポイント阻害剤による治療も行っています。

大腸癌薬物療法について
2010.1〜2019.12

観音開き法(上川法)再建

炎症性腸疾患(IBD)に対する外科治療

IBDにおける当科の特徴は、内科との連携が非常にスムーズである点です。IBDの治療の主体は内科的治療ですが、切除のメリットが高ければ、しっかり納得していただいた上で手術を選択します。IBDの手術数は2008年1月から2019年12月まで、潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術74名(腹腔鏡62)、クローン病に対する腸管切除術134名(腹腔鏡84)となっています。潰瘍性大腸炎・クローン病とも腹腔鏡手術を積極的に施行しており、2016年からは経肛門的アプローチであるtaTMEも導入しております。また、術後の感染管理のために陰圧閉鎖療法を積極的に導入し、入院期間の短縮に努めています。

IBD手術件数の推移
2010.1〜2019.12

Closed-LECS(改良型LECS)

遺伝カウンセリング外来

近年のゲノム医療の進展に伴い、遺伝性腫瘍の可能性を指摘される症例が増加しています。当科では、臨床遺伝診療科と共同で遺伝性大腸癌の専門外来(毎月第2・4木曜日午後)を開設し、臨床遺伝専門医や遺伝性腫瘍専門医が、遺伝カウンセラーとともに診療にあたっています。